隠れ介護問題
日経ビジネスから抜粋。
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NTT東日本の社内に衝撃が走ったのは2013年初頭のことだった。人事部が社員向けに介護をテーマとしたアンケートを実施したところ、驚くべき実態が明らかになった。 「介護をしながら働いた経験がある」との回答は4人に1人。8人に1人が「現在も介護をしている」。
「産業界の平均的な数字があるわけではないが、『すごく多い』と感じた」と総務人事部でダイバーシティ推進室長を務める畑中直子氏は今でも驚きを隠せないでいる。
アンケートにはグループの全社員6万人のうち3万3000人もの人が回答。社員の関心の高さに加えて、回答の割合を単純に当てはめると、グループ全体で最低でも4000人近い社員が現在も介護を抱えながら仕事をしているという現実が突きつけられた。
今後数年で、この4000人がさらに膨れ上がる可能性も顕在化した。「今後5年以内に介護が必要になる可能性がある」との回答は54%に上り、介護予備軍が回答者の過半を占めたのだ。しかも8割の回答者が介護への備えをしていないという危うい実態も分かった。
ここでNTTは医療や介護の人材紹介サービスなどを手掛けるエス・エム・エスに依頼し、社員向けに介護情報を提供する専用のウェブサイトを製作。介護が必要になった社員向けに専門の相談員が電話相談に応じる態勢を整えたほか、登録している6万人のケアマネジャーにオンライン相談ができるようにした。
介護をしながら働いている人の役職分布を見ると企業の中でも管理職クラスの課長以上が半数を超える。役員の比率も約1割と高い。親が介護を必要とする年齢が比較的高くなるのは当然と言える。だが経営の観点からすれば、重要なポストに就いている人が介護離職のリスクを抱えている点に留意しなければならない。
介護をすると、体力的、精神的な負担が増す。それと同時に、金銭的な負担も大きく増える。調査によると、介護が始まった後の年間支出の増加額は、施設の入居費などを除いても100万円以上と回答した人が35%に上った。
介護で負担が増え、仕事を辞めて介護に向き合おうにも、収入がなくなれば増える一方の支出を賄えなくなってしまう。さらに、40代や50代で一度退職すると、復職や再就職は難しくなる。ビジネスパーソンが介護をしながら働き続けなければならない理由の一つがここにる。
介護離職をする人は、本当の退職理由を明かさずに辞める人も多い。そのため、25%を占めた「分からない」という回答の中には、介護離職が含まれている可能性もある。介護による離職は決して珍しい出来事ではなくなりつつある。
いかに介護離職を減らし、職場の不満を解消するか。勤め先の介護支援制度に拡充を求める声は7割に及ぶ。大多数が不満を抱いているのだ
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隠れ介護問題は社会的な課題ですね。特に上記のNTTの様な大手企業に対して、隠れ介護問題に対応できるサービス(福利厚生サービス)を提供できれば間違いなくニーズはありそうです。仮に営業支援したら、かなりの確率で商談が設定できそうです。既にSMSさんが手がけてるのが流石だなと思いました。