17期目が終わり、18期目へ
2026年8月31日をもって、株式会社オルガロの17期目が終わりました。9月から18期目になります。
今期も1年、無事に締めることができて本当にうれしく思っています。会社で働いてくれている社員さん、パートナー会社様、協力会社様、そしてお取引先の皆様のおかげです。ありがとうございます。17期を振り返ってみます。
17期は完全成果報酬の営業支援が大きく伸びた1年でした
会社全体としては、完全成果報酬の営業支援事業が非常に伸びた年でした。インサイドセールス支援やテレマーケティングのお仕事も引き続き頂戴していますが、完全成果報酬の営業支援だけで見ると、この17年間で一番良かったか、それに準ずる年だったと思います。
この事業は、これまでお取引いただいたお客様との信頼関係がベースになっています。経営課題やお悩みごとを自然にお聞きしたり、ご相談をいただいたりして、それを解決できる案を一緒に考えてご提案する。世の中には素晴らしいサービスや技術を持っている会社様が本当に多いので、そういった会社様をどんどんおつなぎして、結果的に全員がハッピーになればいい。そのハッピーになった結果として、我々が報酬を頂戴する。そういう話です。
弊社は17年間、初期費用も月額費用もいただかずにやってきました。時には結果が出ないこともあって、その時のご請求はゼロ。これを一貫して続けてきた中で、日々のやり取りや会食といった接点が積み重なっていく。そこで培ってきた信頼関係は、やはり何事にも代えられないなと感じています。
また、ご紹介した商材がお客様の商圏で本当に売れる場合は、単発で終わらず、売上に連動したレベニューシェアの形で長くご一緒させていただくケースも出てきました。こうなると我々も1件つないで終わりではなく、売れ続けるために何が必要かを一緒に考える立場になります。
人材紹介・採用支援は30代・40代のミドル層、マネージャー層からのご相談が増えました
これまでは、ポテンシャル層や若手の方を人づてでご紹介いただき、その方たちを評価してくださる弊社のお客様におつなぎする形が中心でした。それが今年は、30代、40代でマネージャー経験のあるミドル層の方からのご相談が比較的多い年でした。
すべて人づてでご紹介いただいていることを考えると、30代、40代というのは人生の節目というか、ライフスタイルや価値観が変わってくる時期なのかなとも思います。私自身も共感できるところが多く、その方の状況を理解して共感していただける企業さんをおつなぎすることができ、転職につながった事例もありました。
結果として17期は、ポテンシャル層からハイクラスまで、さまざまなご相談をいただいた年になりました。
ポジションごとの紹介料という考え方
採用というのは、ポジションや条件によって本当に千差万別です。求められる経験も、採用の難易度も、会社がその採用にかけられる投資額もまったく違います。
なので弊社では、一律の料率ではなく、ポジションごとに紹介料を考えるようにしています。会社ごとに、ある意味オーダーメイド型の人材紹介です。ここは今後も力を入れていきたいところです。
営業支援のつながりを活かした転職支援
弊社の転職支援は、営業支援のお客様とのつながりを活かしているのが特徴です。その会社の内部の情報や営業文化、営業手法など、求人票だけではわからないところまで知った上でおつなぎできる。その方のキャリアアップに本当につながるかどうかを、そこまで見てご提案しています。
経営者として、父親として
26歳で今の会社を立ち上げたわけですが、結婚する前の価値観と、結婚してから、子供が生まれてからの価値観は、やっぱり変わってきました。数年前にお酒をきっぱりやめて、今も続いています。小さいながらも100%株を持って会社を経営していて、少ない人数ですが社員さんの人生も預かる立場です。なので、仕事イコール私の人生そのもの、という状況になっています。
そのうえで、子を持つ親という立場として、少しでも「仕事で世の中にいい影響を与えられる人」であるところは見せていきたい。会社の規模で見ればまだまだ小さくて、日本の経済にインパクトを与えているかというと正直そういうわけではないと思います。それでも、納税させていただいて、雇用させていただいて、誰かの人生に責任を持つ。その上で世の中にとっていいことをする。そんな父親であり続けたい。この数年、そういうマインドになっていると思います。
『サピエンス全史』を読んで

今年は移動中に本を読む時間が増えました。その中で読んだのが、ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』上下巻(河出文庫/柴田裕之さん訳)です。死ぬまでに読みたい本と言われていますが、本当にその通りでした。勉強になったポイントと、経営に引き寄せて考えたことを書きます。
認知革命 ― 存在しないものを信じられるようになった
・約7万年前、サピエンスは実際には存在しないものについて語れるようになった。伝説、神話、神々。ハラリさんはこれを認知革命と呼んでいる
・噂話だけでまとまれる集団は150人程度が限界。それを超える人数で動けるようになったのは、みんなが同じ物語を信じたから。国家も貨幣も、そして会社も、多くの人が共通して信じているから成り立っている
・この力があったからこそ、サピエンスは大勢で柔軟に協力できる唯一の動物になった。ハラリさんは、ネアンデルタール人をはじめとする他の人類種が絶滅した重要な原因もここにあると見ている
会社ってまさにこれだなと思いました。オルガロという会社も、登記はありますけれども、実体として触れるものではありません。社員さんがいて、お客様がいて、オルガロはこういう会社だとみんなが思ってくれているから成り立っている。理念とかビジョンとか、正直きれいごとに聞こえることもあると思うんですけれども、あれは要するに「何を一緒に信じるか」の話なんだなと理解しました。
農業革命 ― 増えることと、豊かになることは別
・農業革命によって人類の数は爆発的に増えた一方で、一人ひとりの生活のバリエーションは狩猟採集の時代より著しく減った。ハラリさんは、人口は増えたけれども個々の生活はむしろ悪化した、人類史上最大の詐欺だった、という見方をしている
これは経営に置き換えると刺さる話でした。売上を増やす、人を増やす、拠点を増やす。増えること自体は悪くないですし、僕も会社を大きくしたい気持ちはあります。ただ、増えた結果、そこで働く一人ひとりの働き方や生活が良くなっているかというと、必ずしもイコールではない。規模を追わないという意味ではなく、増やし方には順番があるよなと思いました。
人類の統一 ― 貨幣は、相互信頼のシステム
・人類の相互依存を強めてきた推進力は、貨幣、帝国、そして普遍的な宗教の3つ。ハラリさんは貨幣を「相互信頼のシステム」と表現している。紙や金属そのものに価値があるのではなく、みんながその価値を信じているから成り立っている
・膨大な数の見知らぬ人同士を協力させている人工的な本能のネットワーク。ハラリさんはこれを文化と呼ぶ。文化は変化し続け、現代は自由と平等という折り合いのつかない二つの価値を同時に掲げている。その矛盾こそが人間の創造性と活力の源だという
貨幣は相互信頼のシステム、という言葉はなるほどと思いました。弊社の完全成果報酬も構造は同じです。初期費用も月額費用もいただかないということは、契約書以前に「この会社はちゃんとやる」と信じていただかないと成立しません。逆に我々も、成果が出たらきちんとお支払いいただけると信じているから、先に動ける。17年かけて積み上げてきたものは、結局これだったのかなと思います。
矛盾が活力の源、というのも経営をしているとよく分かります。理想と現実、成長と働きやすさ、売上と理念、どれも完全には両立しません。その折り合いのつかなさがあるから、毎年考え直すことになる。きれいに整合してしまった会社は、たぶんそこで止まるんだと思います。
宗教という超人間的秩序 ― イデオロギーもまた宗教である
・ハラリさんは宗教を、超人間的な秩序への信仰と、それに基づいて定められた規範や価値観の体系だと定義している。この定義に従えば、資本主義やナショナリズムといった近代のイデオロギーもまた宗教なのだという
・仏教を開いたゴータマが行き着いたのは、苦しみの根源は外の出来事ではなく、人間の心の渇愛にあるという結論。快いものを手に入れても、心はさらにそれを渇愛するので、けっして満たされない
イデオロギーも宗教である、という見方は、会社に当てはめると腑に落ちました。会社には必ず、これが正しいという前提があります。売上がすべてという会社もあれば、効率がすべてという会社も、人が一番という会社もある。どれも証明されたものではないけれど、みんなが信じているから組織が動く。構造としては、たしかに信仰に近いと思います。
弊社にとってのそれは、完全成果報酬です。これが正しいと証明できるわけではありません。ただ、僕はこれを信じてやってきましたし、信じてくださるお客様と一緒に17年やってきました。
科学革命 ― 「我々は知らない」と認めたところから始まった
・科学革命は、エリートたちが自分たちは知らないということを認め、だから調べよう、改善しようとなったところから始まった。そこに帝国主義と資本が結びつき、新しい土地と新しい知識を獲得しに行くモチベーションが異常に高くなった
無知を認めたことが出発点、というのは経営でもそのままだと思います。営業支援をしていると、お客様の業界のことは当然ながらお客様のほうが詳しいです。知ったふりをしても現場ではすぐ見抜かれます。知らないことは知らないと認めて、教えていただいて、そこから一緒に考える。17年やってきて、結局それが一番早いというのが実感です。
幸福について ― 文明は人間を幸福にしたのか
下巻に、文明は人間を幸福にしたのかという章があります。個人的には、ここが一番考えさせられました。
・快感と幸福は同じではない。ノーベル経済学賞を受けたダニエル・カーネマンの研究では、育児は日常の中でかなり不快な作業として評価されたのに、多くの親は子供こそが幸福の一番の源泉だと答える。人は自分にとって何が良いのかを、実はよく分かっていない
・幸福は、自分の人生に意義があると感じられるかどうかに左右される。ただしその意義は、たいてい周囲の人たちが共有している物語と一致しているから成り立つ
・仏教の見方では、幸福は外部の成果ではなく内なる感情にある。感情は海の波のように絶えず移り変わるので、快い感情を追い求め続けるかぎり、心は決して満たされない
耳が痛いところもありました。経営をしていると、どうしても外部の成果で自分を測りがちです。売上がいくら、社員が何人、どこと取引している。僕もそうです。でも、それが満たされたら幸せかというと、たぶん次の数字を追うだけなんですよね。
そのうえで自分のことを振り返ると、僕は何か新しい原理や理論を生み出せる人間ではありません。ただ、17年やってきて、いろんな会社、いろんなやり方を見てきた中で、はっきり分かっていることがあります。僕はやっぱり、成果報酬というビジネスモデルが本当に好きなんです。
結果が出なければご請求はゼロ。合理的かと言われると、正直、非合理なところもあります。それでも17年続けてきたのは、売上がそうさせたからではなくて、単純にこのやり方が好きだからです。外部の成果ではなく、内側の感情。ハラリさんの書いていたことに引き寄せると、たぶんそういうことなんだろうと思います。
会社は一人では何もできない
ここからは僕の、というかオルガロとしての見解なんですけれども。
我々の祖先のホモ・サピエンスが、なぜここまで繁栄できたのか。それは、何か一つのものを信じて、それに共鳴する人たちが集まって動く、という遺伝子レベルの性質のようなものがあったからではないかという気がしています。今でも世界中にキリスト教、イスラム教、仏教、ヒンドゥー教があり、日本には八百万の神様がいます。会社もまったく同じで、会社ごとに哲学があって、大事にしていることがある。何がいいとか悪いとかは、僕は評論家ではないので言うつもりはありません。それは人それぞれだと思います。
そのうえで、本当に会社をやってきてわかっていることは、一人では何もできないということです。営業があって、マーケティングがあって、経理があって、その他いろいろな要素が積み重なって成り立っている。社内外を含めて、協力し合って一つの成果を生み出す。それが会社なんだと思います。
弊社は数名の会社です。だからこそ、完全成果報酬の営業支援や人材紹介を通じて、汗をかいて少しずつ信頼をいただいてきたお客様とのつながりを大事にしてきました。そのネットワークがあるおかげで、今、弊社よりはるかに規模の大きい会社様と提携させていただき、結果的に10人以上のリソースを提供できる状態になっています。これが17期に我々が存在できた理由であり、17年間続けてこられた理由なのかなと思っています。
そして17年やってきて手元に残っているのも、数字そのものより、その過程でできた人との関係のほうだなと感じます。
18期目に向けて
改めて、この17年間、そして17期にお取引いただいたお客様、会社で働いてくれている皆さん、支えてくださったすべての皆様に、感謝申し上げます。
私は、今の私たちが持っているすべての力を出して、影響を与えられる限りの範囲で、世の中にいい影響を与えたいと思っています。会社としても、一人の人間としても、家族を持つ者としても、そしてお取引先に対しても。その手段が、今の私にとってはこの会社であり、完全成果報酬の営業支援であり、採用支援、転職支援です。
一人で何かできるわけではなく、いろいろな人の要素が重なって今があります。なので、我々の会社がすごいとか、自分がすごいとか、そういう話はもうどうでもよくて。いい人間でありたい。会社も同じで、いい会社、世の中にいい影響を与えられる会社でありたい。18期も、ここを追求して頑張ります。
世の中にいいことを、ためらわずにする。そんな人生を送りたいです。送ります。
ありがとう。また。続けられるだけ、続けてみます。